結婚は復讐の為だった…いつのまにか? …
復讐…完結
「お前って、父さんと似ているよ。父さん、結構頑固でさっ。泣きたいのも我慢して、体調崩しても笑っていて。俺は、何度も父さんに再婚したらって言ったけど。絶対に再婚はしないって言っていたし、ずっと俺に嘘ついて隠していたことがあったんだけど。嘘をつくとき、父さんはちょっとした癖があるんだよ。その癖が、柚香とそっくりだから」
(…そんなこと…ありません…)
「人は自分の事が一番見えないんだよ。お前が、いつもボサボサの髪をして、大きなメガネをかけていたのは。父さんに似ているからだろう? 」
(え? 違います! 何を根拠にそんなことを…)
「だって、父さんの寝起きの顔って柚香とそっくりだから」
(どうして? )
「え? だって、俺は全部知っているもん。ってか気づいていただけ。それに、柚香のお兄さんにはもうずっと前から会っているよ。柚香が離婚を切り出す前から会っている。だから、柚香が計画していたことも知っていたし」
(…知っていて、わざわざハマってくれていたってこと? )
「ハマっていたというより、金田理子をおびき出すためだったから」
(なんなの? それ…)
「だから、俺は全部知っててあの日は行動してたってこと。そしてその夜、お前の事を愛しくてたまらなくなり抱いたんだ」
信じられない気持ちと、どこか納得できる気持ちが込みあがってきて柚香は電話に向こうで泣き出していた。