【コミカライズ決定】ヤンデレ最強魔法使いと国外追放された元悪役令嬢の幸せな新婚(監禁)生活〜元婚約者達は勝手に破滅したようですが、わたくしは知りませんから!〜
僅かな変化ではあるが視線を感じた時は大体、ベンジャミンがマティルダを見ている。
どうしたのかと問いかけてみても「なんでもないよ」と言って、はぐらかされてしまう。
(ベンジャミン様、どうしたんだろう……?)
あまりにも毎日その状態が続いたので、気になったマティルダはベンジャミンがいない間を見計らって、薄紫色のよく喋る鳥、トニトルスと相談しつつ魔力を放出していた。
「なんだか最近、ベンジャミン様の様子が変だと思わない?」
『あら、ベンジャミンはいつだって変よ?今更そのことに気づいたの?』
「そうかな?」
『大丈夫。アンタも十分変よ』
「そういうことを言いたいんじゃないの……!最近、ベンジャミン様が不安そうにしているというか、何かに怒っている感じかしら?出かけることも増えたし……ス、スッ、スキンシップも多くなったような気がするのっ!」
何かを埋めるようにマティルダの存在を確かめると、フラリとどこかに消えて、またマティルダの元に来て抱きしめてと繰り返している。
バチバチと手から電気を放出しているが、トニトルスは気持ちよさそうに美しい羽根を広げている。
『アンタはいつも呑気というか鈍感というか……』
「やっぱりベンジャミン様は何かに悩んでいるのかしら」