クールな救急医は囲い娶ったかりそめ妻に滾る溺愛を刻む【ドクター兄弟シリーズ】
誰かが呼んでくれた救急車が近づいてきた。救急車に向かって大きく手を振る彼は、終始落ち着いていて無駄な動きひとつない。
さすがは救急医だ。
近くに停車した救急車から救急隊員がストレッチャーを運んでくる。
「堀田(ほった)先生じゃないですか」
どうやらこの先生を知っているようだ。
「偶然通りかかりました。野上に運びます。子供は脳挫傷の疑い。意識レベル二〇〇。母親は右脚の骨折の疑い。お母さん、まずこの子から先に救急車に運びます。少し待って」
堀田と呼ばれた先生は、私を母親だと勘違いしている。
けれども、ホッとしたせいかじわじわ痛みが増してきて、声も出せない。
とにかくうなずくと、堀田先生は男の子とともに救急車に乗り込んだ。
それから私も、救急隊員に連れられて同じ救急車に乗ることになった。
車内に入ると、グローブをして聴診器をつけた堀田先生が処置を始めている。
さすがは救急医だ。
近くに停車した救急車から救急隊員がストレッチャーを運んでくる。
「堀田(ほった)先生じゃないですか」
どうやらこの先生を知っているようだ。
「偶然通りかかりました。野上に運びます。子供は脳挫傷の疑い。意識レベル二〇〇。母親は右脚の骨折の疑い。お母さん、まずこの子から先に救急車に運びます。少し待って」
堀田と呼ばれた先生は、私を母親だと勘違いしている。
けれども、ホッとしたせいかじわじわ痛みが増してきて、声も出せない。
とにかくうなずくと、堀田先生は男の子とともに救急車に乗り込んだ。
それから私も、救急隊員に連れられて同じ救急車に乗ることになった。
車内に入ると、グローブをして聴診器をつけた堀田先生が処置を始めている。