浮気ダメゼッタイ!悪役令嬢ですが一途な愛を求めます!
信じられないことに、この世界は前世でよくプレイした、『夢と魔法のフォルトゥナ』という乙女ゲームの世界だ。
ヒロインである男爵令嬢オデットは、ある日夢を見る。
それは身分の高いイケメンと恋に落ちる夢。顔はよく見えないが、自分の運命の相手なのだと分かる。
そのイケメンを探すため、得意の魔法を生かして貴族が通う学園に入学するのである。
学園生活の中で攻略対象者との親密度を上げ、魔法のレベルを上げていくと、ヒロインは光魔法を極め聖女だと国から認定される。そして意中の相手を攻略し、婚約するというシナリオだ。
攻略対象者は全部で四人。
第一王子であるアベル、第二王子のテオドール、神官のモーリス、騎士のセルジュである。
現時点でヒロインは、明らかに第一王子であるアベルルートに進んでいる。
第一王子ルートでは、王子としての責務を重く感じていたアベルを、ヒロインオデットが軽やかに励ます。
『せめて学生の間くらい、楽しんじゃえばいいじゃないですか!』
そんな無責任な言葉に励まされ、恋に落ち、卒業を前に二人は結ばれるのである。
(よく考えたら最低ね、このシナリオ)
前世でゲームをしていた時には全く思わなかったのだが、この世界に生きる令嬢としては、学生時代こそ遊んでいる暇はないと感じる。その上、結婚も婚約さえも結んでいない未婚の男女が、キスやら何やらするなんてありえない!
元々苦手だったアベルのことをセリーヌはさらに毛嫌いしそうだ。
アベルルートの悪役令嬢はセリーヌだ。
卒業パーティーの最中に、アベルはセリーヌを断罪する。国外追放を言い渡され、セリーヌはゲームのシナリオから退場するのだ。
(今から断罪イベントを阻止できるかしら……)
現時点で最高学年の年で、卒業パーティまであと数週間。ヒロインは聖女だと言われているし、アベルは彼女にベタ惚れ間違いなし。断罪イベントは回避できそうにない。
(どうしたら、いいのかしら……)
発熱に加えて頭痛も伴い、押し寄せてきた記憶で混乱してきた。この時のセリーヌは、自身の未来を憂うことしかできなかった。
ヒロインである男爵令嬢オデットは、ある日夢を見る。
それは身分の高いイケメンと恋に落ちる夢。顔はよく見えないが、自分の運命の相手なのだと分かる。
そのイケメンを探すため、得意の魔法を生かして貴族が通う学園に入学するのである。
学園生活の中で攻略対象者との親密度を上げ、魔法のレベルを上げていくと、ヒロインは光魔法を極め聖女だと国から認定される。そして意中の相手を攻略し、婚約するというシナリオだ。
攻略対象者は全部で四人。
第一王子であるアベル、第二王子のテオドール、神官のモーリス、騎士のセルジュである。
現時点でヒロインは、明らかに第一王子であるアベルルートに進んでいる。
第一王子ルートでは、王子としての責務を重く感じていたアベルを、ヒロインオデットが軽やかに励ます。
『せめて学生の間くらい、楽しんじゃえばいいじゃないですか!』
そんな無責任な言葉に励まされ、恋に落ち、卒業を前に二人は結ばれるのである。
(よく考えたら最低ね、このシナリオ)
前世でゲームをしていた時には全く思わなかったのだが、この世界に生きる令嬢としては、学生時代こそ遊んでいる暇はないと感じる。その上、結婚も婚約さえも結んでいない未婚の男女が、キスやら何やらするなんてありえない!
元々苦手だったアベルのことをセリーヌはさらに毛嫌いしそうだ。
アベルルートの悪役令嬢はセリーヌだ。
卒業パーティーの最中に、アベルはセリーヌを断罪する。国外追放を言い渡され、セリーヌはゲームのシナリオから退場するのだ。
(今から断罪イベントを阻止できるかしら……)
現時点で最高学年の年で、卒業パーティまであと数週間。ヒロインは聖女だと言われているし、アベルは彼女にベタ惚れ間違いなし。断罪イベントは回避できそうにない。
(どうしたら、いいのかしら……)
発熱に加えて頭痛も伴い、押し寄せてきた記憶で混乱してきた。この時のセリーヌは、自身の未来を憂うことしかできなかった。