俺がこの世で一番愛してる人
「やっとリーベのことをここから出せる算段がついた」
やっと上が暴力に常習性があると判断し、オリバーのことを逮捕するのを呑んでくれたのだ。
ほぼ毎晩忍び込んで、あいつを殴り飛ばしたいのを我慢して証拠映像を残した甲斐があった。
「本当に……?」
「ああ、あと一週間くらいでこんな場所はおさらばだ」
彼女は一度驚いたようにアクアマリンのように綺麗な目を開き、直後その目から涙が溢れる。
どんなにあいつから暴力を振るわれても泣いてる姿なんて見たことがなかったので焦る。
「リーベどうして泣いてるの? まだ痛いところある?」
指で涙を拭うと、彼女は涙を堪えながら笑顔を見せてくれる。
「ううん、違うの。やっとここから出れるんだ、って思ったら嬉しくて」
「そっか、それならよかった。いきなり泣くから驚いたよ」
どうやら嬉し泣きだったようで安心する。
そんな彼女に愛しさが募り、頬ならいいだろうかとキスをする。
彼女はくすぐったいのか、くすくすと笑う。
あまりの可愛さに先程よりもほんの少しだけ力を込めて彼女を抱きしめる。