俺がこの世で一番愛してる人
「ああ、本当にリーベ可愛い。早くこんな所から助け出してずっと一緒にいたい」
「ここを出ても一緒にいてくれるの?」
「そのつもりだけど、嫌だった?」
ここから助け出せた後は一緒に暮らす気満々だったが、彼女にとっては嫌なのかもしれない。
こうして彼女が甘えてくれるようになったから両思いなのだと思っていたが、それも俺の勘違いだったのかもしれない。
まだ彼女から“好き”と言われたことはないし。
いつも俺が一方的に言っているだけで、彼女はそうじゃない。
そう思うと悲しくなるが、彼女が俺と暮らすのを嫌がるなら、元の予定通り彼女の生活の基盤が整うまではサポートするだけだ。
「ううん、嬉しい。ここから出たら会えなくなるかと思って、少しだけ寂しかったから」
そう言って彼女が先ほどよりも強く抱きしめてくる。
彼女が嬉しいと言ってくれたことに安堵する。
よかった、嫌がられていない。
「まさか。元々君の生活の基盤が整うまでは、一緒に生活する予定だったんだ」
そう言えば先程、俺に会えなくなると思うと寂しいと言っていたことを思い出す。