俺がこの世で一番愛してる人
守りたい人
 それから四日経ち、やっとオリバーのことを逮捕できることになった。

 その間は色々とバタバタしていて、彼女のところへ行けなかったので、彼女がまた酷い怪我をしていないか心配だ。

 それに一日、二日空くかもしれないと言ったのに、既に四日も経ってしまっていることに罪悪感を覚える。

 なんだか嫌な予感がして、本来なら一緒にオリバーの家に向かうはずだった同僚や上官達を置いて、先に一人で向かう。

 本当は独断で動くのはよくないとわかっているが、早く向かわなければならない気がした。


 オリバーの家に着き中に入ると、あいつの怒号が聞こえる。

 いつもの比ではないと思い、急いで向かうとあいつがうずくまる彼女のことをひたすら殴り続けていた。

 しかも彼女は泣いていた。

 今まであいつに暴力を振るわれている時に、目に涙を溜めている姿は見たことがあったが、こうして泣いている姿は見たことがない。

 それを見たことで、更に怒りが湧いてくる。

 もう証拠集めのためにただ見ているだけしかできなかった時とは違う。
 部屋の中に入り、彼女のことを殴っているオリバーを押さえつける。


「……リュカ」


 抵抗するオリバーを動かないように押さえつけていると、俺の名を呼ぶ彼女の声が聞こえ、ついそちらに視線を向けてしまう。
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