俺がこの世で一番愛してる人
 すると下にいたオリバーが俺のことを押しのけ、俺の腰にある剣を奪おうとしてくる。

 まあ、こいつと俺とでは実力差もあるはずだし、それを払いのけることができる。

 あいつは俺を睨みつけると、彼女の方に向かう。

 もう彼女に近づけるものか、と阻止しようとするが間に合わず彼女がオリバーに捕まる。
 そしてポケットからナイフを取り出し、彼女の首にそれを当てる。


「こいつが殺されたくなかったら、お前の剣を寄越せ!」


 オリバーが彼女の首にナイフを当てたまま俺を睨みつけそう言う。

 大人しくそれに従い、剣を腰から外し床に置く。

 あいつはそのまま俺に近づいて、剣から離れろと言うので、オリバーから視線を逸らさずに後退る。

 剣を拾うと、彼女を俺といる方とは逆の方に突き飛ばす。


「いっ……」

「リーベ!」

「お前がリーベの名前を呼ぶな! こいつは俺のものだ! 誰にも渡さない! 誰かに奪われるくらいなら殺してやる!」


 咄嗟に彼女の名前を呼ぶと、オリバーがすごい剣幕で俺を睨みつける。

 そして剣を鞘から抜き、彼女に斬りかかろうとする。
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