俺がこの世で一番愛してる人

「ふふ、やっぱりこの子可愛いよな」

「リーベが可愛いのは本当だけど、さっきから何なんだ」


 また可愛いって言った。
 なんだかもやもやする。


「そう怒るなよ。だってお前が気を失ってる間に、リュカから少しでも離されそうになったらすごい嫌がるんだ。風呂に入れた時以外は、ずっとお前の近くにいたよ」


 それが嬉しくて、彼女の方を向き優しく微笑む。


「ずっと近くにいてくれたの?」

「リュカのことが心配だったから。……駄目だった?」


 少し不安気に彼女が尋ねてくる。
 そんな顔も可愛い。


「駄目なわけない。リーベがずっと近くにいてくたの嬉しいよ。ずっと傍にいてくれてありがとう」


 愛しすぎてまた抱きしめると、彼女に「人前だと恥ずかしいからやめて」と言われ、本当は離れたくないが渋々離れる。

 別に恥ずかしがる必要ないのに。

 そこで先程イアンが言っていたことを思い出す。


「そう言えば風呂に入れたと言ってけど、お前が入れたのか?」

「リュカが怒るの分かってて、俺が入れる訳ないだろ。その子を風呂に入れたのはキャロルだよ」


 それを聞いて安心する。
 男が入れていたらどうしようかと思った。


「そうか、それならよかった。入れたのがイアンだったら、どうしてやろうかと思った」

「怖いこと言うなよ。本当にその子のこと好きなんだな」

「ああ、好きだ。当たり前だろ」


 そんな当たり前のこと聞かないでほしい。
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