俺がこの世で一番愛してる人

「そんなお前に朗報だ。一応記録用にその時の映像を撮ってるんだ。どうだ? 明日の掃除当番を代わってくれるってなら、やらないこともないが」

 言ったら調子に乗りそうだから言わないが、イアンでかした、と褒めてやりたい。

「掃除当番くらい、いくらでも代わってやる。だからその映像をくれ」

「普段嫌々やってるくせによく言うよ。本当にべた惚れなんだな。じゃあ、あとで映像やるよ」

「ああ、頼む」


 その映像が見れるのが楽しみだ。
 早く見たい。


「そうだ、今ルークさんを呼んでくる」

「わざわざいいよ」

「そんなこと言うなよ。仕事があるから、持ち場に戻ったけど、お前のことすごい心配してたんだからな? 元気な姿を見せてやれ」


 そう言ってイアンが部屋から出ていく。

 わざわざ兄さんを呼んでこなくても、あとから顔を見せるつもりだったからよかったのに。

 まあ、兄さんが来るまで彼女と二人きりだ。
 誰もいないなら、俺がどれだけくっついても嫌がらないはずだ。
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