となりの席の読めない羽生くん
第15話 プッタネスカ
葉月が驚いて顔を上げると、そこに立っていたのは黒いエプロンをした羽生だった。
「え…なんで…はにゅうくん…?」
葉月の驚いた顔に、羽生は“やれやれ”という溜息を吐いた。
「とりあえず入れば?」
羽生に促され、葉月はよくわからないまま裏口から建物に入った。
「顔大丈夫?ひとまず氷当てときなよ。」
羽生が冷凍庫から氷を取って袋に入れた。
「ありがと…」
「もう少し早く声かけたら叩かれなかったよな、ごめん。」
葉月は首を横に振った。
「メガネもダメになっちゃったみたいだし、本当に警察に行ってもいいと思うけど?」
葉月はまた首を横に振った。
「いい。私も挑発するようなこと言っちゃったし…もう、別れると思うから。」
———はぁ…
「言いたかったこと言えて、ちょっとスッキリした。」
葉月は笑って言ったが、その目には涙が浮かんでいた。
「さすがにちょっと怖かった…」
葉月は“えへへ”と力なく笑ってみせた。
「落ち着くまでここにいて構わないから。」
「…てゆーか…ここって…?そういえば羽生くん、エプロン…」
葉月は周りをキョロキョロと見回した。
飲食店の控え室のようで、冷蔵庫のほかにキッチンもある。
「俺の親がやってる洋食屋。」
「え!?」
(…羽生くんの料理の謎の答え…?)
「え…なんで…はにゅうくん…?」
葉月の驚いた顔に、羽生は“やれやれ”という溜息を吐いた。
「とりあえず入れば?」
羽生に促され、葉月はよくわからないまま裏口から建物に入った。
「顔大丈夫?ひとまず氷当てときなよ。」
羽生が冷凍庫から氷を取って袋に入れた。
「ありがと…」
「もう少し早く声かけたら叩かれなかったよな、ごめん。」
葉月は首を横に振った。
「メガネもダメになっちゃったみたいだし、本当に警察に行ってもいいと思うけど?」
葉月はまた首を横に振った。
「いい。私も挑発するようなこと言っちゃったし…もう、別れると思うから。」
———はぁ…
「言いたかったこと言えて、ちょっとスッキリした。」
葉月は笑って言ったが、その目には涙が浮かんでいた。
「さすがにちょっと怖かった…」
葉月は“えへへ”と力なく笑ってみせた。
「落ち着くまでここにいて構わないから。」
「…てゆーか…ここって…?そういえば羽生くん、エプロン…」
葉月は周りをキョロキョロと見回した。
飲食店の控え室のようで、冷蔵庫のほかにキッチンもある。
「俺の親がやってる洋食屋。」
「え!?」
(…羽生くんの料理の謎の答え…?)