だから嫌いなんだよ。

「そうですね…」

と小声で言うと

「おまえってほんと馬鹿なんだな」

と言われる。なんで罵倒されなきゃいけないんだ。この男ほんと嫌いだ。
もう喋りたくないから無理矢理目を閉じる。
薬の効果か、またすぐに私は寝始めた。

ありえない夢をみた。
あの男が私のことを「雅ちゃん」と呼びながら頭を撫でる夢。声はすごい優しそうで現実のあの男とは大違い。
顔も近づけてきてキスもされた気がする。
夢の中でも私は熱を出してるんだなと思った。

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