犯人が与えてくれたもの
そして、事件は起きた。
警戒していた女性がライフルを取り出し、天井に威嚇射撃してきた。事を収めるため、私達は警棒を出した。
私は、無線を入れた。
「警備課各位に告ぐ。現在、入口付近に武装の女性侵入。至急避難を要請してください」
「Aブロックも武装集団に占拠されました」
「Bブロックは、10人避難させられましたが、1名負傷」
「バックヤード付近も店員含め、負傷者・避難者なし」
「防カメ班は基本セキュリティ遮断のため、負傷者・避難者なし。拘束中」
「安田から防カメ班、本部連絡をお願いします」
「既に完了。警察の出動要請もかけました」
「了解」
その女性は、私に伝えた。
「びっくりしたでしょ?3ブロックあたり1人の武装者が来るなんて」
「あなたは、警備経験者ですか?」
「さあね、でもこれだけは伝えとく。防カメ室も、武装集団が入り込んでる」
「は?」
その言葉と同時に、無線が入った。
「防カメ班より各位、主犯は防カメ班主任の勝田」
「まじか」
「状況は?」
「現在対応中。セキュリティ技術もあるため、脱出は厳しい」
「了解」
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