彼女の夫 【番外編】あり
土曜とはいえ、遅い時間だからか空港までの道は思いの外空いていて、予定よりも早く到着した。
とはいえ、これといってすることもなく、俺は時間つぶしに展望デッキに向かう。
ドアを開けた先には滑走路のランプがキラキラと光っているのが見え、あたりの暗さと調和していた。
デッキに出て、夜風にあたりながら離発着する飛行機を眺める。
俺の他にも、何人かが同じように夜空を見上げていた。
「蒼・・」
忙しくしている時はゆっくりと想うこともないけれど、ふとした時に顔が浮かび、思わず名前を口にしてしまう。
時間が経てば、少しずつ忘れていくのだと思っていたのに・・。
『玲生さん』
目を閉じれば、俺の名前を呼んでくれる彼女の笑顔がはっきりと浮かぶほどだ。
「・・ぉ・・さん・・」
え・・?
俺は振り返った。
でも、誰もいない。
昨日もそうだ。
俺を呼ぶ声が聞こえた気がしたんだ・・。
前髪をグシャッとかきあげ、深くため息をつく。
腕時計を見るともうすぐ21時で、俺は展望デッキを後にして到着ロビーに向かって歩き出した。
到着ロビーは2階だが、ふと上の階を見上げると深夜便の利用者が多いのか、出発ロビーにはそれなりの人がいてざわついている。
「・・っ!」
俺は、その中のひとりに目が釘付けになる。
嘘だろ・・・・?
でも・・・・。
「あおっ・・」
途中まで口にして止めた。
上の階まで距離があるのと、その女性を見失ったからだ。
俺はエスカレーターを駆け上がり、2階から3階に走った。
蒼・・。
あれは、蒼だったのか・・?
とはいえ、これといってすることもなく、俺は時間つぶしに展望デッキに向かう。
ドアを開けた先には滑走路のランプがキラキラと光っているのが見え、あたりの暗さと調和していた。
デッキに出て、夜風にあたりながら離発着する飛行機を眺める。
俺の他にも、何人かが同じように夜空を見上げていた。
「蒼・・」
忙しくしている時はゆっくりと想うこともないけれど、ふとした時に顔が浮かび、思わず名前を口にしてしまう。
時間が経てば、少しずつ忘れていくのだと思っていたのに・・。
『玲生さん』
目を閉じれば、俺の名前を呼んでくれる彼女の笑顔がはっきりと浮かぶほどだ。
「・・ぉ・・さん・・」
え・・?
俺は振り返った。
でも、誰もいない。
昨日もそうだ。
俺を呼ぶ声が聞こえた気がしたんだ・・。
前髪をグシャッとかきあげ、深くため息をつく。
腕時計を見るともうすぐ21時で、俺は展望デッキを後にして到着ロビーに向かって歩き出した。
到着ロビーは2階だが、ふと上の階を見上げると深夜便の利用者が多いのか、出発ロビーにはそれなりの人がいてざわついている。
「・・っ!」
俺は、その中のひとりに目が釘付けになる。
嘘だろ・・・・?
でも・・・・。
「あおっ・・」
途中まで口にして止めた。
上の階まで距離があるのと、その女性を見失ったからだ。
俺はエスカレーターを駆け上がり、2階から3階に走った。
蒼・・。
あれは、蒼だったのか・・?