彼女の夫 【番外編】あり
もう17時か・・。
昨日から彼女と一緒にいたのに、その時間のほとんどを会社の出来事に費やしてしまった。
「ただいま・・」
俺の声に反応はなく、家の中は静まり返っている。
リビングのドアを開けると、ソファにもたれて眠っている彼女が見えた。
疲れたんだろう、慣れない状況の中にいて。
俺はベッドルームからブランケットを持ってきて、彼女の身体にそっとかけた。
「ん・・」
ソファの前に座り、身じろぎした彼女の寝顔をながめる。
ふっ・・と薄く目を開け、『玲生さん・・』とつぶやいた。
「蒼さん・・ごめん、待たせて。ようやく目途はついたんだけど、もう日曜の夜だね」
そう言った俺に、彼女が両手を伸ばしてきた。
まだ少し眠そうな彼女は俺の胸元にもたれかかり、少しだけ微笑んだ。
あったかいな・・。
彼女を抱きかかえるようにして、俺も目を閉じる。
いつの間にか、俺はソファに横になりブランケットを身体にかけて眠っていたらしい。
「蒼・・さん」
「目が覚めた?」
「うん・・いま何時だろう。送って行くよ」
起き上がって時計を見ると、20時を回っている。
『蒼さんの時間を共有できると嬉しい』と言ったのに、結局、俺に付き合わせただけだった。
「早い時間だから、ひとりでも大丈夫。玲生さん、ゆっくりしてて」
帰り支度を始めた彼女を見ていたら、途端に寂しくなった。
もっと一緒にいたいけれど、俺の言い分だけを何度も聞いてもらうわけにはいかない。
「蒼さん、ごめん」
もう何度目かも分からない、謝罪の言葉を口にした。
昨日から彼女と一緒にいたのに、その時間のほとんどを会社の出来事に費やしてしまった。
「ただいま・・」
俺の声に反応はなく、家の中は静まり返っている。
リビングのドアを開けると、ソファにもたれて眠っている彼女が見えた。
疲れたんだろう、慣れない状況の中にいて。
俺はベッドルームからブランケットを持ってきて、彼女の身体にそっとかけた。
「ん・・」
ソファの前に座り、身じろぎした彼女の寝顔をながめる。
ふっ・・と薄く目を開け、『玲生さん・・』とつぶやいた。
「蒼さん・・ごめん、待たせて。ようやく目途はついたんだけど、もう日曜の夜だね」
そう言った俺に、彼女が両手を伸ばしてきた。
まだ少し眠そうな彼女は俺の胸元にもたれかかり、少しだけ微笑んだ。
あったかいな・・。
彼女を抱きかかえるようにして、俺も目を閉じる。
いつの間にか、俺はソファに横になりブランケットを身体にかけて眠っていたらしい。
「蒼・・さん」
「目が覚めた?」
「うん・・いま何時だろう。送って行くよ」
起き上がって時計を見ると、20時を回っている。
『蒼さんの時間を共有できると嬉しい』と言ったのに、結局、俺に付き合わせただけだった。
「早い時間だから、ひとりでも大丈夫。玲生さん、ゆっくりしてて」
帰り支度を始めた彼女を見ていたら、途端に寂しくなった。
もっと一緒にいたいけれど、俺の言い分だけを何度も聞いてもらうわけにはいかない。
「蒼さん、ごめん」
もう何度目かも分からない、謝罪の言葉を口にした。