彼女の夫 【番外編】あり
「玲生」

そっ、と彼女の手が俺の頬から首筋を撫でる。

その指先から熱量を感じ取った。
彼女に、求められている。

俺は? 俺はどうなんだ?
そんなの・・確かめるまでもない。

俺は彼女をベッドルームに連れて行き、少し強く唇を重ねた。


「・・ん・・・・ぅ」

「蒼・・・・」


彼女が着ていたニットの下は、滑りのよい繊細なレースの下着で、それを纏った肌はうっすらと上気していた。


「玲生・・電気・・」

「んー・・・・蒼を、よく見たい」

「・・そんな・・っ・・・・ぁ・・・・おねが・・い」


明かりの照度を、半分以下に落とした。

見られることに対する不安や羞恥が減ったのもあるのか、彼女の身体から、硬さが抜けてやわらかさが戻ってくる。

は・・ぁ、ヤバイ。
素肌越しに触れたくなり、俺も服を脱いだ。

どちらからともなく身体に手をのばし、お互いの反応を確かめる。


「玲生・・好き・・」

「・・いま言われたら、ちょっとだけ・・困るな」

「どう・・して?」

「もう、抑えがきかなくなる・・から」


彼女を抱き上げて引き寄せると、『私も・・』と耳元で囁かれた。

それを聞いて、俺は思った。
ふたりが封じ込めてきた気持ちの扉を、今夜、お互いに開けることができるのなら・・と。

「蒼、俺も蒼が好きだよ」

唇を合わせ、舌を絡め、指を這わせながら、徐々に彼女を潤していった。


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