彼女の夫 【番外編】あり
「玲生、見合い・・してみないか?」
「えっ」
思わぬ提案に、俺は戸惑った。
このタイミングで、見合い?
「そうすれば、世間の目線はそっちに向く。お前も、お前の相手だった女性も好奇の視線に晒されることは無くなるだろうから、悪くない話だろう。
見合い話は・・これまでもいくつかあったんだが、お前が嫌がると思って断っていたんだよ」
「でも、見合い相手の女性を利用するようで気が進まない。その気も無いのに、期待させたくないから」
そう言うと、フッと親父が笑った。
「予想通りの反応だな。俺の言いなりになるほどボロボロじゃないと分かって良かったよ。
それなら・・気分転換にどこか行ってこい。海外支社、たまに見に行ってやると現地社員の士気も上がるぞ」
「そう・・だね。直生と河本に相談してみるか・・」
「じゃあ、俺はこれで。あまり無理せずに周りを頼れ」
ひとり残された社長室で、窓から外を眺めていた。
遠くに、離発着する航空機が小さく見える。
海外・・か。
考えもしなかったけれど、確かに今の俺にはいいのかもしれない。
近々、新しいプロジェクトが立ち上がる支社があったはずだ。
ロサンゼルス・・だったか。
俺は社長室に弟と河本を呼び、すぐに日程を調整する。
3日後の夜の便を手配してもらい、併せてホテルも予約した。
どちらか一緒に行った方がいいと言われたものの、『傷心旅行だからひとりがいい』と伝え丁重に断った。
「えっ」
思わぬ提案に、俺は戸惑った。
このタイミングで、見合い?
「そうすれば、世間の目線はそっちに向く。お前も、お前の相手だった女性も好奇の視線に晒されることは無くなるだろうから、悪くない話だろう。
見合い話は・・これまでもいくつかあったんだが、お前が嫌がると思って断っていたんだよ」
「でも、見合い相手の女性を利用するようで気が進まない。その気も無いのに、期待させたくないから」
そう言うと、フッと親父が笑った。
「予想通りの反応だな。俺の言いなりになるほどボロボロじゃないと分かって良かったよ。
それなら・・気分転換にどこか行ってこい。海外支社、たまに見に行ってやると現地社員の士気も上がるぞ」
「そう・・だね。直生と河本に相談してみるか・・」
「じゃあ、俺はこれで。あまり無理せずに周りを頼れ」
ひとり残された社長室で、窓から外を眺めていた。
遠くに、離発着する航空機が小さく見える。
海外・・か。
考えもしなかったけれど、確かに今の俺にはいいのかもしれない。
近々、新しいプロジェクトが立ち上がる支社があったはずだ。
ロサンゼルス・・だったか。
俺は社長室に弟と河本を呼び、すぐに日程を調整する。
3日後の夜の便を手配してもらい、併せてホテルも予約した。
どちらか一緒に行った方がいいと言われたものの、『傷心旅行だからひとりがいい』と伝え丁重に断った。