彼女の夫 【番外編】あり
蒼、蒼どうしたんだ・・。
なぜ病院なんかに・・。
特に具合の悪そうなところは無かったはずなのに、帰国前に無理をしたんだろうか・・。
「すみません、急いでください!」
気ばかり焦って、タクシー運転手に思わずそう告げる。
両手を握り合わせ、とにかく早く着いてくれと祈った。
「ありがとうございました。お釣りは不要です」
一万円札を運転手に握らせ、俺は急いでタクシーを降りて院内に駆け込んだ。
どこだ・・どこだ救急は・・どこだよ・・。
天井にぶら下がる案内を見上げながら、救急外来を探した。
病院のエントランスではなく、救急外来の入口にタクシーを横付けしてもらえばよかったと後悔した。
蒼・・。
蒼・・無事なのか?
救急外来につながる廊下の角を曲がると、ざわざわとした処置室が見えた。
あそこにいるのか・・?
そのまま処置室に向かって足早に歩いていると、処置室手前の廊下から走ってきたスタッフにぶつかった。
「・・っ、すみません。急いでいたもので」
え?
「あお・・い?」
俺が彼女を見間違えるわけがない。
「え・・・・。あ、玲生さん! やだ、ごめんなさい。玲生さんが待っていると思って急いで着替えて行かな───」
「よ・・・・かった・・ぁ」
俺は彼女を強く抱き締めた。
そこが病院だということも忘れて、ただ自分の腕の中に抱き留めていた。
なぜ病院なんかに・・。
特に具合の悪そうなところは無かったはずなのに、帰国前に無理をしたんだろうか・・。
「すみません、急いでください!」
気ばかり焦って、タクシー運転手に思わずそう告げる。
両手を握り合わせ、とにかく早く着いてくれと祈った。
「ありがとうございました。お釣りは不要です」
一万円札を運転手に握らせ、俺は急いでタクシーを降りて院内に駆け込んだ。
どこだ・・どこだ救急は・・どこだよ・・。
天井にぶら下がる案内を見上げながら、救急外来を探した。
病院のエントランスではなく、救急外来の入口にタクシーを横付けしてもらえばよかったと後悔した。
蒼・・。
蒼・・無事なのか?
救急外来につながる廊下の角を曲がると、ざわざわとした処置室が見えた。
あそこにいるのか・・?
そのまま処置室に向かって足早に歩いていると、処置室手前の廊下から走ってきたスタッフにぶつかった。
「・・っ、すみません。急いでいたもので」
え?
「あお・・い?」
俺が彼女を見間違えるわけがない。
「え・・・・。あ、玲生さん! やだ、ごめんなさい。玲生さんが待っていると思って急いで着替えて行かな───」
「よ・・・・かった・・ぁ」
俺は彼女を強く抱き締めた。
そこが病院だということも忘れて、ただ自分の腕の中に抱き留めていた。