悪役令嬢に転生したのですが推しのイケオジ騎士様(モブキャラ)と恋に落ちるルートはどれですか!?
途端に、剣の打ち合う音が消える。
はっと息を飲む、一瞬の間だった。
「隙あり」
ブランの剣先が、レオンの喉元に突きつけられる。
「勝負、あり!」
ガブリエル王子が叫ぶ。
ブランがフッと笑って、剣先を下ろした。
「嘘、でしょ……」
ブランが勝ってしまった。
喜ばなくてはいけない。
なのに、私はその場にへたりこんでしまった。
「なかなかいい太刀筋だった。王族にしては、やるな」
ブランはそう言って、剣を鞘に収める。
暗がりの中、レオンは向こうを向いたまま、剣を持つ手をだらりと下ろしている。私からは背中しか見えない。
一体、彼はどんな顔をしているんだろう。
ブランはレオンの肩をぽんと叩くと、何か2、3言彼の耳元で囁いてから、こちらに向かって歩いてきた。
「お嬢ちゃんの婚約者は、いい男だな」
私の前で立ち止まったブランは、そう言って私に右手を差し出した。
この手を取れば、私はブランと共にリベルテ王国へ行かなければならないのだろう。
ブランと共に生きる私は、レオンのことをを忘れて幸せになれるだろうか。
ブランをじっと見つめた。
いくつものリボンに締められたように、胸が苦しくなる。涙が一筋、静かに頬を伝って流れた。
はっと息を飲む、一瞬の間だった。
「隙あり」
ブランの剣先が、レオンの喉元に突きつけられる。
「勝負、あり!」
ガブリエル王子が叫ぶ。
ブランがフッと笑って、剣先を下ろした。
「嘘、でしょ……」
ブランが勝ってしまった。
喜ばなくてはいけない。
なのに、私はその場にへたりこんでしまった。
「なかなかいい太刀筋だった。王族にしては、やるな」
ブランはそう言って、剣を鞘に収める。
暗がりの中、レオンは向こうを向いたまま、剣を持つ手をだらりと下ろしている。私からは背中しか見えない。
一体、彼はどんな顔をしているんだろう。
ブランはレオンの肩をぽんと叩くと、何か2、3言彼の耳元で囁いてから、こちらに向かって歩いてきた。
「お嬢ちゃんの婚約者は、いい男だな」
私の前で立ち止まったブランは、そう言って私に右手を差し出した。
この手を取れば、私はブランと共にリベルテ王国へ行かなければならないのだろう。
ブランと共に生きる私は、レオンのことをを忘れて幸せになれるだろうか。
ブランをじっと見つめた。
いくつものリボンに締められたように、胸が苦しくなる。涙が一筋、静かに頬を伝って流れた。