悪役令嬢に転生したのですが推しのイケオジ騎士様(モブキャラ)と恋に落ちるルートはどれですか!?
ハッピーエンドに向かって
「ブラン殿も困っていたんだよ? 昨夜、ガブリエル王子の部屋を訪れて、色々聞いたんだ。でも、ブラン殿の記憶の中の元恋人と、エレーナはタイプが違う、と」
黙ったままだったが、心の中で思わずツッコミをいれた。
当たり前だ。ブランの元恋人は、病弱な令嬢。ブランは彼女を守るために騎士になり、彼女と結ばれるために騎士団長に成り上がった過去がある。
その頃には、彼女はもう既に病気で亡くなっていたのだが――。
一方で、前世の私はただのブランオタクだ。彼を愛でて、恰好いい、推せる、尊い、死ねる、尊死、それも本望、みたいな思考をひたすらループしていたのだから。
すると、ブランが口を開く。
「あいつは唯一無二、あいつだけなんだ。申し訳ないけど、お嬢ちゃんを見ていてそう思った」
ブランは困ったような顔をしたまま、私の頭をポンポンと撫でた。
けれど、ブランのその言葉で、自分の抱いていた彼への想いがストンと腑に落ちた。
ブランに尊死寸前まで私が推し続けたのは、その筋肉もさることながら、彼が元恋人に対して誠実であり続けたからだ。
「それでこそ、ブランさんだと思います」
思わずそう告げると、彼は一瞬驚いた顔をした。
けれど、「ああ」と短く告げると、私の頭から手を離した。
どうやら隣にいる王太子からの黒いオーラを感じ取ったらしい。
黙ったままだったが、心の中で思わずツッコミをいれた。
当たり前だ。ブランの元恋人は、病弱な令嬢。ブランは彼女を守るために騎士になり、彼女と結ばれるために騎士団長に成り上がった過去がある。
その頃には、彼女はもう既に病気で亡くなっていたのだが――。
一方で、前世の私はただのブランオタクだ。彼を愛でて、恰好いい、推せる、尊い、死ねる、尊死、それも本望、みたいな思考をひたすらループしていたのだから。
すると、ブランが口を開く。
「あいつは唯一無二、あいつだけなんだ。申し訳ないけど、お嬢ちゃんを見ていてそう思った」
ブランは困ったような顔をしたまま、私の頭をポンポンと撫でた。
けれど、ブランのその言葉で、自分の抱いていた彼への想いがストンと腑に落ちた。
ブランに尊死寸前まで私が推し続けたのは、その筋肉もさることながら、彼が元恋人に対して誠実であり続けたからだ。
「それでこそ、ブランさんだと思います」
思わずそう告げると、彼は一瞬驚いた顔をした。
けれど、「ああ」と短く告げると、私の頭から手を離した。
どうやら隣にいる王太子からの黒いオーラを感じ取ったらしい。