「先生」って呼ばせないで
Prologue
初恋
『廉くんっ!あそぼっ』
『ん〜?ちょっと待ってて。怜とゲームしたいから、それ終わってからね』
『やだっ。のんと遊んでっ!!』
長い前髪の隙間から覗く優しい瞳。
伸びてくる大きな手。
頭に触れると心地よい暖かさ。優しい力加減。
『後で遊―』
『こら、のん。廉に迷惑だろ?後でお兄ちゃんが遊んでやるから。今は大人しく待ってな』
『お兄ちゃんのイジワル!!』
お兄ちゃんに邪魔されて怒る私を見る柔らかい眼差し。
『あーあ、のんちゃん怒っちゃった。しょうがないなぁ、一緒に遊ぼっか。何して遊びたい?』
『見て見て、これね、今日幼稚園で作ったの!廉くんも一緒に作ろっ』
『折り鶴?上手に出来てるじゃん』
『でしょっ!廉くんにあげる!』
『ありがとう。じゃあ俺ものんちゃんにプレゼント作ってあげる』
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