「先生」って呼ばせないで
「なんかあったら連絡しろよ?すぐ駆けつけるから」


バックミラー越しに目があった。


「そんな真剣な顔しないでよー。大丈夫だって」


「俺も一緒に見ようかな?」


「それは絶対だめ」


まだ遥斗先輩の話はしてないし。


お兄ちゃんに話すとめんどくさいし。


お付き合いが決まってから報告するつもりだ。


「やっぱり今日の試合、友達じゃなくて男だろ」


「……違うもん」


「はぁーーー。やっぱり男かぁぁぁ…」


「だから違うって!」


まぁ昔からお兄ちゃんに嘘がバレなかったことはないから否定しても意味ないと思うけど。


「そりゃ乃蒼もそういう年頃だよなぁ」


「……お兄ちゃんには関係ないでしょ」


「まぁなぁ。でも、俺は嬉しいよ」


え?


嬉しいの?


過保護なお兄ちゃんだから、ショック受けるのかなって思ってた。


驚いてて隣を見上げると、一瞬だけ視線が交わった。
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