「先生」って呼ばせないで
梓を始めとして3年生の何人かは高松先生のことが大好きでキャアキャア騒いでいるし、1年生の大半は高松先生目当てで入部してきた子たち。


そんな部員をまとめるのは大変だけど、なんだかんだ皆協力的で、団結力はあるチームだと思ってる。


このチームでやれるのはあと1年。


大好きなメンバーで少しでも長くテニスをするために、今からキャプテンとして頑張るんだ。


すべては1年後笑って終われるように。


そう、思っていた。


1年間、皆とテニスができると信じて疑わなかった。


今日、この日までは。


練習を終え、高松先生に頼まれた用事を終わらせると、時刻は19時を過ぎていた。


「一宮!こんな時間まで残ってくれてたんだ」


教室まで様子を見に来てくれた高松先生。
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