ちびっこ聖女は悪魔姫~禁忌の子ですが、魔王パパと過保護従者に愛されすぎて困ってます!?~
八章 ちびっこ聖女と湖の魔物

~八章 ちびっこ聖女と湖の魔物~


(暑い……くるしい……ゆ、だるぅ……)

 発熱してから、はたして何日が経過したのだろうか。まだほんの一日のような気もするし、ひと月にもなるような気もする。

(悪魔の力が暴れてるせいだって、パパは言ってたけど……いったい、いつまで暴れてるの……もしかして、ルゥのこと、きらい……?)

 身体にはびこる謎の熱は、いまだ収まる気配も見せない。だが、熱のある状態には慣れてきたのか、数時間ごとに細かく意識が戻るようになった。正確には苦しさのあまり寝つきが悪く、眠ってもすぐに目覚めてしまうだけなのだけれど。

「ディー、ベティ……ルゥ、このまま、死んじゃう?」

「死っ……!? な、なにを仰っているのですか、姫さま。そんなご冗談、ディーの心臓に悪いです。絶対に大丈夫ですから、安心してください」

「そうですよ、姫さま。きっといまに熱も下がって元気になります」

 従者たちはかわるがわる励ましてくれる。

 そんなふたりに、ルイーズはなおのこと気分が落ち込みそうになった。

「ベティ、いま、何時……?」
< 153 / 193 >

この作品をシェア

pagetop