ちびっこ聖女は悪魔姫~禁忌の子ですが、魔王パパと過保護従者に愛されすぎて困ってます!?~
そう考えれば、手を組むという選択は悪手ではないのかもしれない。この苦境を生き抜くための手札を増やすと考えれば、多少のリスクは目を瞑るべきか。
逡巡したルイーズは、慎重に言葉を選びながら口を開く。
「……あのね。ルゥたち、大魔王が封印されてる場所を探してるの」
「大魔王? 大魔王グウェナエルのことですか?」
「うん、そう。理由はちょっと、話せないんだけど。とにかく、探してるの。もうずっと、ひと月以上探してるけど、見つからないんだ」
ひと月という言葉に驚愕したのか、ベアトリスは目を見張った。
「なんと……わたしがこの地に放流されるよりもずっと前からですか。それほど長くこのような場所で生きながらえるなんて」
まじまじと見つめられ、ルイーズは居心地の悪さを感じながら焦る。
だが、次いでベアトリスの口から飛び出したのは予想だにしない言葉だった。
突如降り注いだ朗報に、ルイーズとディオンは思わず顔を見合わせる。
「……しかし、それならお役に立てるかもしれません。大魔王グウェナエルの封印場なら、この地をさ迷っている最中に見つけたので」