大嫌いなキミに愛をささやく日
「凛に”ストーカーから守ってやる”なんて言ったら……。

俺に不信感を抱いた凜が、忍術とか使って、雲隠れしそうですからね」



それか、ストレートに「嫌。キモイ。ほっといて」だな。

だけど担任は別のところに食いついたのか「え!」と嬉しそうな顔をした。



「三田さんは忍術を使えるの!?」

「言葉のあやですってば」

「わ、分かってるわよ……」



少し残念そうなのは、気のせいという事にしよう。

しかもその後に、意味深な笑みを、俺に向けて来た。



「にしても――フフ。愛ねぇ」

「放っておいてください……」

「守ってあげてね、三田さんを。よろしくね」

「……任せてください」



凛には、指一本触れさせませんから――





そうして。




凛が、真さんを玄関まで送った後。

一人でそそくさと帰ろうとする凛の隣に、俺はしれっと並んだ。
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