大嫌いなキミに愛をささやく日
驚きの予想が、現実味を帯びていると分かり、

俺はしばらくの間、動くことが出来なかった。




そして翌朝――




「いってきまーす」

「よ、凛」

「……ただいまー」

「待てまてまて!家に入ろうとすんな!」



凛がいつ家を出るか教えてくれなかったおかげで……。

かなり早い時間から、凛の家の前でスタンバイしていた俺。

するとスタンバイから二時間後。

朝の8時に、凜は姿を見せた。



「なんか煌人、汗かいてない?走ったの?」

「走ってねぇけど、太陽の光で干物になるところだった」

「ふ……意味がわかんない」



ふふと笑みを浮かべる凛。

どうやら待ち伏せしていた事は流してくれるみたいだ。

ふぅと安堵の息をついた後、気になった事を質問する。



「真さん、遅い出社なんだな」

「え?もうとっくに家を出てるよ?」
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