大嫌いなキミに愛をささやく日
「は?」



え、なんでだ?

だって、俺が凜の家に来たの……朝の6時だぞ?

その間、家から誰も出てこなかったぞ?



「真さんの会社って、遠いの?」

「ううん。車で十分だって」

「(十分!それなのに、どうして早い時間に家を出てんだよ!)」



ますます真さんが怪しい。

怪し過ぎる……。



「……」

「煌人?どうしたの?」

「ん、いや……。何でもないよ」



ストーカーの被害に遭っている事は、凛自身も気づいている。

その犯人が、本当は俺じゃない事くらい、凜も分かってるはずだ。

だとすると――今、凜は相当な不安を抱えているはず。

これ以上、俺が追い打ちをかけるわけにはいかない。


そう考えていると……


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