大嫌いなキミに愛をささやく日
「はい、ストーカー確保~」

「……は?」



空振った俺の足はなすすべなく落下し、地面にドスッと尻もちをつく。

地味に痛い。

が、今はそれどころじゃない。

だって、俺の目の前には、



「お前か。俺の可愛い娘を突け狙ってたストーカーは」



と恐ろしい形相で睨む真さんと、



「す、すみませんでした……もうしません……!」



気弱で軟弱そうな、メガネ男子が揃っていたからだ。



「えっと……」



どういう事?と頭を悩ます俺。

そんな俺を見て、真さんはニコリと笑った。



「三者面談の時に、先生からストーカーの事を聞いたけど、その時は既に犯人の目星をつけていてね。だけど確実な証拠が欲しくて、今日みたいに捕まえられる日を待ってたんだ」

「ま、真さんがストーカーじゃねぇの……?」

「へ、俺?」
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