大嫌いなキミに愛をささやく日
「ゼロ点……?」

「俺はね、君のご両親から言いつかった命で動いているんだ。

俺は――鳳条社長と副社長の秘書の一人だよ」

「!」



鳳条社長は、俺の父。

鳳条副社長は、俺の母。

三田真は、俺の両親の秘書。


そこまで整理が出来た時に、さっき凛が言った事を思い出す。



――真さんの会社って、遠いの?
――ううん。車で十分だって

――そう言えば、私の家と煌人の家。車で十分の距離だったね



真さんが両親の秘書なら、俺の家に出社するのも頷ける。両親は、家で仕事をすることも多いから。

それに、



――これだけオシャレな(=高い)スーツを買って着ているって事は、すごい給料が良いんだろうな。どこの有名企業に勤めてんだよ



俺が自分で言った事にも頷ける。

両親の秘書やってるんだ。給料の額は、言わずもがな……高いに決まってる。

それに、ウチの親が「秘書がみすぼらしい服着てんじゃないわよ!」とかって怒りそうだもんな。



「(あぁ、そういうことかよ……)」



そうか。

全部つながった。
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