大嫌いなキミに愛をささやく日
「そうだけど……無謀すぎる」

「ここまで無計画で来た鉄砲娘に言われたかねーわ」

「……」



確かに。

私もさっき、自分の無計画さを反省していた所だった。



「な、なんでここにいるの?まさか私を探しに?」



なわけないよね。こんな無名の駅。

と思っていると、まさかの「そうだよ」の返事。



「え」

「お前を迎えに来たんだ、凛」



煌人はバラの花束を、私の横の空いたスペースに置いて、そして――

私を包み込んで、抱きしめた。



「心配かけんじゃねーよ、バカ」

「あき、と……」



ギュッと、優しく。

だけど、強く。

複雑な強弱のつけ方で、煌人は私を不器用に抱きしめた。

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