大嫌いなキミに愛をささやく日
「そう……私はいつも容赦なく”悪い”んだよ。私だけが、ね」



足をあげて、椅子の上で体育座りをする。

自分の膝の間に顔を埋めて。

「誰にも言わないで」と前置きをした。



「お父さんの事を皆に話してないって本人に知られて、どうしようって焦った。

今日、ここに来たのも……間違いだったって。

今更ながら、気づいて、焦ってる。

お父さんお母さんのお墓に来るんじゃなくて、お父さんに私の悩みを徹底的に聞いてもらえばよかったのに……。

上辺だけで返事をして。まるで私の事を深く知られないように、予防線を張って……。

そんな意味のない悩み相談をしておいて……。

結局、最後に頼るのは両親って……」



これじゃあお父さんに呆れられるよね。いつか、絶対――



「バカだなぁ、私……。

こんな時にまで”お父さんに全部頼らない”って、変なプライドを持っちゃって……」
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