大嫌いなキミに愛をささやく日
「……」
「この前、煌人に……”自分のしたい事や言いたい事は、ちゃんと口に出して”って、偉そうに言ったばかりなのに」
結局、全然変われてなかったのは……私の方だった。
私は何も、変わってない。
両親がいなくなった日から、お父さんと距離を縮めているようで縮められていないかも、と。
そう思うと無性に虚しくなって、悲しくなって。涙が出た。
「う……っ」
「……誰にも言わねーよ」
「……煌人」
泣いてる私をさすがにおちょくらなかった煌人は、そんな事を言った。
「うん……今の私を秘密にしてもらえると、助かる」
だけど、私の思っている事と煌人の思っている事は違うようで。
煌人は「まずはお前が変わる番だな」と、私の頭を撫でた。
「変わる?」
「だから、お前の口から、直接――真さんに言え」
「……へ?」
「さっきの事、全部」
「!?」
な、なに言ってんの!?
コイツ、何言ってんの!?
「私とお父さんが、繊細な関係だって知ってるよね!?」
「だから何だよ」
「なんだよ、って……」
煌人は私の頬に、手をやった。
私が膝の間から、一瞬だけ顔を上げた、その隙に。
「繊細なもんはな、叩けば叩くほど硬くなってくんだよ。壊れにくくなんの」
「この前、煌人に……”自分のしたい事や言いたい事は、ちゃんと口に出して”って、偉そうに言ったばかりなのに」
結局、全然変われてなかったのは……私の方だった。
私は何も、変わってない。
両親がいなくなった日から、お父さんと距離を縮めているようで縮められていないかも、と。
そう思うと無性に虚しくなって、悲しくなって。涙が出た。
「う……っ」
「……誰にも言わねーよ」
「……煌人」
泣いてる私をさすがにおちょくらなかった煌人は、そんな事を言った。
「うん……今の私を秘密にしてもらえると、助かる」
だけど、私の思っている事と煌人の思っている事は違うようで。
煌人は「まずはお前が変わる番だな」と、私の頭を撫でた。
「変わる?」
「だから、お前の口から、直接――真さんに言え」
「……へ?」
「さっきの事、全部」
「!?」
な、なに言ってんの!?
コイツ、何言ってんの!?
「私とお父さんが、繊細な関係だって知ってるよね!?」
「だから何だよ」
「なんだよ、って……」
煌人は私の頬に、手をやった。
私が膝の間から、一瞬だけ顔を上げた、その隙に。
「繊細なもんはな、叩けば叩くほど硬くなってくんだよ。壊れにくくなんの」