大嫌いなキミに愛をささやく日
「は?何言って、」

「刀みたいなもんだよ。刀の刃って、完成するまでに何回叩かれると思ってんだよ。そんで、どれだけ強くなると思う?」

「……」



確かに。いつかテレビで見た事ある。

刀の刃を一生懸命叩く職人さん。

刃はトンカチで何度も叩かれ、そして火にあてられ。

そして――薄いけれど、折れにくい。頑丈な刃になるんだ。



「その刃みたいにさ、何回でも叩いてぶつかればいんだよ。そしたら嫌でも次第に強くなっていくって。お前と真さんの絆もさ」

「煌人……」

「でもお前、まだ一回も叩いてないだろ?

ひび割れる事を恐れちゃ、何も変わらねーぞ」

「っ!」



煌人の言う通りだ。

お父さんは、20歳の時から私を育ててくれた。

私の傍にいたいからって。

だけど、その決断は並大抵のものじゃないって……私も分かってる。



「真さんの決死の覚悟をさ、お前が叩き壊しにいってどうすんの。

まずはぶつかれよ、本当の親子みたいにさ」
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