大嫌いなキミに愛をささやく日
「~っ!」



涙が、溢れた。

そうだ。私は、お父さんの子供になって、七年間もの間……。

ずっと、お父さんの覚悟を無駄にしてきたんだ。

ぶつかり合わずに、避けてきて……表面上だけ仲良くして。



「うっ……、ごめ……っ」



今まで、どんな思いで私の相談に乗ってくれたんだろう。

今まで、どんな思いでお弁当を作ってくれたんだろう。

今まで、どんな思いで上辺だけの笑顔な私を、黙って見ててくれたんだろう。



「(お父さん、ごめん……。そして、ありがとう……っ)」



胸が締め付けられるような気持ちと、心が温かくなる気持ち。

複雑な感情に涙が止まらないでいると……

煌人が、あっけらかんとした声で言った。



「ま、俺も同じだって。お互い反抗期みたいなもんだよな~。だから血の繋がりなんて関係ないない。俺だって、ずっと両親が嫌いだもん。けど、まー。サクッと謝っとくか~」

「……」



一気に感動が薄れていく気がした。



「そういや、煌人も”ずっとぶつかり合うのを避けて来た”って、」
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