大嫌いなキミに愛をささやく日
「……うん。だから、これからぶつかるんだ。

さっき言ったろ?」

「え?」



――でも……逃げるのは、もうやめる。俺は両親と向き合うよ

――お前もさ、向き合ってみたら?真さんと



「俺は……凛と一緒なら頑張れるって、そう思ってるんだぞ」

「煌人……」

「反抗期を終わろうか。お互いに」

「……うん」



煌人が私の涙をぬぐい、私も、不器用に笑みを浮かべる。



「……ぷっ、変な顔」

「煌人こそ」

「俺はいつだってカッコいいだろ」

「はいはい」



体を動かすと、ガサッと音がする。

私の隣に置いてある花束に、目を向けた。



「これ……お父さんとお母さんのお墓に?」

「……」



無言だったから「え?」と思って煌人を見ると、予想が外れているのか。煌人は口笛を吹きながら、花束を取った。

そして「これは、凜が使う分」と、ぶっきらぼうに私に渡す。



「わ、私が使う?」
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