大嫌いなキミに愛をささやく日
煌人が私を負かしてくれたから、私は煌人を意識した。

話をするようになった。本音でぶつかるようになった。


だからこそ、私は自分のプライドの高さを直そうと思った。

ありのままの自分を見せて、素直になりたいって。


煌人に負けなかったら、煌人と会わなかったら。

そんな事、きっと考えもしなかったと思う。



「煌人に勉強で負けた時は悔しかったけど、」



負ける経験をするのも大事なんだって、気づくことが出来た。

だから、ありがとう煌人。

あなたには、感謝してる。



そう思って煌人を見ると、彼は申し訳なさそうな顔をしていた。

どうやら、私が怒っていると勘違いしてるみたい。



「勉強のこと……悪かったって」
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