大嫌いなキミに愛をささやく日
キキキ―
電車がすごい音を立てて、ブレーキを踏んだ。
「わっ」
あまり電車に慣れてない私は、思わずこけそうになってしまう。
そんな私を、グイッと煌人の手が、強く引っ張った。
そして、
ポスッ
「おま、危なっかしいなぁ、もう……」
「ご、ごめん……?」
いつの間にか、煌人に抱きしめられていた。
その間、私の心臓はやっぱりドキドキと鳴っていて。
窓を見なくても、自分の顔が真っ赤だと気づいてしまう。
「(これは、お父さんに相談してもいい事……なのかな?)」
照れや恥ずかしさも、まるまる曝け出していいんだろうか?
「誰かに話したい」と思った事を、お父さんに全て言いたい。
聞いてもらいたいって、今ならそう思う。
「(だから煌人の事も、話していいんだよね?)」
でも……やっぱり煌人の身が心配になるからやめておこうかな。
「ウチの娘を取るなー!」とか言って、お父さんが暴れそうだし……。
「……ふふっ」