大嫌いなキミに愛をささやく日
もっと近くで
あの日から少し経ち、運動会の練習が始まった。
まだ六月終わりだけど蒸し暑い中、私たちは入場行進や競技練習に励む日々。
そして――
運動会本番を明日に迎えたある日。
放課後の最後の全体練習を前に。
私は煌人に、こんな質問をしていた。
「ねぇ煌人、もし良かったら次の日曜日にウチに遊びに来ない?」
「え!!」
一気に表情が明るくなり、絶対に喜んでいる煌人。
だけど「あ……」と。
何か用事がある事を思い出したのか。
表情が、一気に暗くなった。
「ごめん、日曜は家庭教師なんだよ」
「日曜なのに習い事?大変だね」
「本当にごめん!今度絶対行くから、また誘って……」
「いや忙しいならいいよ」と言うと、煌人にギロリと睨まれた。
「絶・対・に・誘っ・て。
な?」