大嫌いなキミに愛をささやく日
「(誘ってもらう人の態度じゃない……)」



今、私の目の前で鬼の形相をしている人が。

数日前、泣く私を慰めてくれた優しい人と同じだったかと。

その豹変ぶりに、思わず疑問を持ってしまう。



「(だけど……感謝はしてるんだよね)」



「じゃあ先に運動場に行くな!」と、教室を後にした煌人の背中を見る。



あの日――



電車を降りた私を待っていてくれたお父さん。

私を見つけると、いつもと同じように、ニコリと笑ってくれた。



『凛、おかえり』

『お父さん……ごめんね、あの……』



黙ってお父さんお母さんのお墓に行って、ごめんなさい。って。

そう謝ろうとした。

だけど、



『いいんだよ凛。お父さんお母さんの所に行きたい時は、お父さん(俺)に遠慮せずに行っていい。

だけどね、俺も凜の両親と話したいから……今度は一緒に行ってもいい?』
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