大嫌いなキミに愛をささやく日
『美味しいカップケーキ屋さんで買ったんだ。

きっと凜が喜ぶはずだから買ってみてください、って。夕方、鳳条くんがメールをくれたんだ』

『(煌人が……)』



きっと私を迎えに来る電車の途中で、お父さんにメールしてくれたんだ。

本当どんな時でも、私の事を思ってくれるんだね……。



『(ありがとう、煌人)』



その夜。


家でカップケーキを食べながら、お父さんと色々な話をした。

学校でのテストのこと、友達の泡音ちゃんのこと、煌人のこと。

息をするのも忘れるくらい、熱中して話す――そんな私を、お父さんは驚いて見ていた。



『凛がここまで色々お話してくれるなんてね』

『ごめんね……。今まで、あまり喋らなくて』

『ううん。もっと聞きたい。次は誰の話かな?』



ほらほら、もっとお父さんに聞かせて?


とお父さんに言われると、改めて照れてしまって「うっ」と言葉に詰まる。

そして誤魔化すように、カップケーキを口に運んだ、

その時だった。

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