大嫌いなキミに愛をささやく日
『はは、素直でよろしい』



――というわけで。

さっき煌人を「日曜日どう?」と誘ってみた。

だけど、早々に断られてしまった。


仕方ないと思いながらも、少し残念で。

そんな私の気持ちを察したのか――


着替えの体操服を持った泡音ちゃんが「ダメだった?」と首を傾げた。



「うん、勇気を出して誘ってみたけど、断られちゃった。何か……最近の煌人って忙しそうにしてるよねぇ」

「え、凜もそう思う?」

「うそ。泡音ちゃんも同じ事を思ってるの?」



お互いの顔を指さして、しばらく固まる。



「……デジャヴ?」
「……デジャヴ?」



なんか、こんな会話を前にもしたよねーって、笑いながら話す、私と泡音ちゃん。

そう。確か前は、煌人が私を避けている時だった。

あの時、泡音ちゃんと「何で避けてるんだろうね」って話し合ったっけ。



「前は凛の事を避けてる感じだったけど……最近は違うよね?」
< 186 / 273 >

この作品をシェア

pagetop