大嫌いなキミに愛をささやく日
「うん。普通に話すし、普通に一緒に帰るよ。毎日じゃないけど」

「そっか。なんか、鳳条くんが一方的に忙しくしてるよね。それで二人一緒にいる光景をあんまり見てないのかも」

「(一方的に忙しい……)」



確かに、その通りで。

煌人は勉強も、その他諸々も――なぜか血眼で頑張り始めた。

煌人は誰よりも勉強を頑張って頑張って、スポーツも何もかもこなした。

色んな部活から引く手数多で、多くの新人戦に出たという噂だ。


しかも、美術だとかピアノだとか、賞と言う賞を受賞し始める。

それは素直にすごい……のだけど、煌人の顔色が良くない。

まるで倒れてしまいそうな顔色をしている。



「まぁ、あの鳳条くんだから、またフラッを前の鳳条くんに戻るって~」

「そうなのかなぁ」



「うーん」と唸る私に、泡音ちゃんが私の体操服をポンと渡す。



「さ、今日も運動会の練習ですよー。女子更衣室に行きますか」
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