大嫌いなキミに愛をささやく日
そう言って、煌人の傍に寄る。

だけど煌人は「ストップ」と言って、私に手のひらを向けた。



「早く赤組の所へ並びなって。すぐに始まるぞ」

「え。う、うん……」

「じゃあな」

「うん……頑張ってね、煌人」



ヒラっと手を振って、煌人から離れる。


思えば……煌人、あの日から普通だな。

私が変な事を言っちゃったって言うのに……。



――”好き”ってまた言ったら……呆れる?
――呆れない……から、

――から?
――もっと言ってもいいよ、煌人



「(思い返せば、結構な大胆発言……)」



カッと顔が熱くなるのは、夏が近づく太陽のせいではない……と。

自分でも、それが分かっているから、厄介。



「(どうして私、あんな事を言っちゃったんだろう……)」


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