大嫌いなキミに愛をささやく日
煌人に「凛が好き」って言ってもらいたかった?

じゃあ、

どうして「好き」って言ってもらいたかったの?



「(優越感に浸るため、なんかじゃない……のは、分かってるんだけど、)」



その先が、私にはまだわからなくて。

煌人に「煌人と同じ言葉」を返せずにいる。

なかなか答えが出ない中、改めて思う。



「煌人は、どうして私を”好き”って言ってくれたんだろう」



あの日、雨が降るのを窓から見ていた私たち。



――俺がお前を好きって言ったら、どうする?



この問題が、未だに解けない。









「これで全体練習終わり―。明日はいよいよ運動会、本番だ!みんな今日は早く寝るんだぞー。

あ、旗手は悪いけど、そのまま倉庫に旗を返却しに行ってくれー」

「あー疲れた!!」
「お疲れ様でーす」
「さようなら~」
「やっと終わったー!」
「この後さぁ――」



皆が色んな事を口々に発言する中。

私と泡音ちゃんも、着替えるために更衣室に向かっていた。



「凛ー、急ごうー?」
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