大嫌いなキミに愛をささやく日
「うん!あ、ちょっと待って。やっぱり先に行っててくれる?」

「? あいよー。じゃあ後でね」



泡音ちゃんは「早く水筒に会いたいお茶飲みたい」と言いながら、足早に更衣室に向かった。

一方の私は……

煌人が気になって、クルリとつま先の向きを変える。



「(確か……旗手は倉庫に行ったんだよね?)」



タタタと、倉庫に向かう。

すると、倉庫の入口の近くにいる煌人を見つけた。

他の旗手の人はもう片付け終わったのか、そこにいるのは煌人のみだった。



「煌人?」

「お、凛」



どうやら、倉庫にちょうど旗を仕舞う所だったらしい。

倉庫はあまり大きくないくせに、道具がギッシリ詰め込まれている。

だから、一人が中に入ったら、それだけで定員オーバーというわけ。



煌人は、倉庫の入り口に片足をかけたまま、私に尋ねた。



「凛、こんな所でなにやってんだよ?」
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