大嫌いなキミに愛をささやく日
「な、なに?」



すると、煌人の手がスルリと私に伸びてくる。

そして暑い外気だというのに、いやにひんやりした手を、

私のおでこにピタリと当てた。



「熱あんじゃねーの?凛」

「ね、熱……?」

「俺が心配で、とか……ねーだろ。凜がいう訳ねーし」

「……」



コイツ……。

人がせっかく「素直になろう」って決めたのに。

その覚悟を、笑って流したな……?



「もういい。旗を貸して。私がしまう」

「は?なんでだよ。凛が持つには重すぎるって。俺がしまうから、触るな」

「触るなって言い方しなくたっていいじゃん!」

「危ないから退けろって、そう言ってんだよ!」



と。

久しぶりに言い合っていた時だった。

煌人よりも大きい旗を、煌人が片手で制御できるわけがなく……。



「やべ、おい凛!危ねぇ!」
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