大嫌いなキミに愛をささやく日
「きゃ!?」



バタンッ



いきなりの事で、訳が分からなかった。

けど、どうやら私は、煌人に引っ張られたらしい。

そして煌人は、私を引っ張って、倉庫の中に入ったらしい。

肝心な旗はと言うと……



「ねえ煌人、旗は?」

「お前にぶつかりそうになったから、凜を守るのに必死で手ぇ放したっての」

「(”守る”って……っ)」



ドキンッ



胸が鳴った私の事は、おかまいなしなのか。

煌人は「早く退けろよ」と、不機嫌な声で言った。



「重たいんだよ。狭いしキツイし、」

「わ、悪かったわね……」

「あーもう。色々ムリ……近ぇ……」
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