大嫌いなキミに愛をささやく日
今度こそ、ドアの取っ手に指をひっかけた。

だけど、押しても引いてもビクともしない。

え、なんで?



「ねえ、煌人。聞いてもいい?旗はどこ?」

「あ?だから、凛を助けるので、それどころじゃ、」



そこまで言ったところで。

学年一位と二位の――悪い勘が冴え渡る。



「まさか、旗は外にあるのか?」

「しかもドアが開かないって事は、」

「旗がストッパーの役目してるって事かよ!?」



どういう傾きで旗が挟まっているのか知らないけど、旗のせいでドアが開かなくなってるみたい。

本当、何がどうなってるの……。

早く脱出したいって思ってるのにー!!



「暑い……っ」

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