大嫌いなキミに愛をささやく日
こうしてると……

最初の頃が、何だかウソみたい。



「(私を勉強で負かした相手・煌人を、私はずっと嫌ってたはずなのに……)」



だけど自分が嫌われていると知りながらも、煌人は私に近づいた。

誰よりも、近くに。



――俺がお前を好きって言ったら、どうする?
――お前を迎えに来たんだ、凛
――凜、今だけ俺に吐き出して見ろよ
――まずはぶつかれよ、本当の親子みたいにさ



私に真っすぐ、迷いなくぶつかって来てくれた煌人。

その煌人のおかげで、私は少しずつ変われてる気がする。



「(煌人、ありがとう)」



あなたがいてくれて、

私を好きになってくれて、

本当に良かった。



「煌人……」



キュッ、と。

煌人を優しく抱きしめた。

すると煌人は――



プツン

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